導入事例

株式会社音響ハウス様

  • 業種:録音貸スタジオ業
  • 導入システム詳細:Active! gate SS (Google Workspace連携)

創作活動の安全と安心を守るために
Active! gate SS を導入し
メールのセキュリティ対策を改善

  • メールでやり取りする添付ファイルに含まれる機密情報保護のため、
    添付ファイルの暗号化を実施
  • ファイル解凍パスワード通知内容の編集が可能なActive! gate SS の柔軟性を評価
  • コロナ禍でスマートフォンでの閲覧機会が増え、
    暗号化だけでなくWebダウンロードにも対応できる点も導入の決め手に
  • ファイルは件名にキーワードを入れるだけで
    Active! gate SS 上で任意の送付形式に変換
  • ユーザーにとって手間もなく、且つ優れたコストパフォーマンスで
    セキュリティ強化を実現

音響ハウスは、日本を代表するアーティスト達がこよなく愛するレコーディングスタジオです。その歴史は45年と長く、心に響く価値を創り出すために、人も技術も進化を続けています。録音技術に優れているだけではなく、多様なニーズに応えるために、技術とサービスとコミュニケーションを提供する集団として、現在も多くのアーティストから支持されています。

また、部門によってはその業務の特質上、海外のMPAA(Motion Picture Association of America, Inc./アメリカ映画協会)のセキュリティ基準を採用したり、4年前からはISO 27001認証を取得し運用している部門もあり、情報セキュリティ対策にも積極的に取り組んでいます。その一環として、2018年からはメールや添付ファイル経由の情報漏えい対策も導入してきました。しかし、以前に導入したメールセキュリティ対策サービスには運用面で数々の課題があり、2021年の夏にActive! gate SS に更新しました。

他社サービスの暗号化ソリューションが抱えていた数々の課題

株式会社 音響ハウスが情報セキュリティ対策を積極的に推進してきた背景について、同社の尾崎紀身 常務取締役は、次のように説明します。

「スタジオ業務では、営業担当者がお客様に送る見積書をはじめとして、放送前の原稿やアーティストの譜面など、メールでやり取りをする添付ファイルには守るべき情報が数多くあります。その取り組みの一環として、メールに添付するファイルの暗号化は必須でした。その対策として、他社による添付ファイルの暗号化を3年前に導入することになりました。しかし、サービスを運用していく中で大きな課題を抱えていました。」

3年前に導入した添付ファイル暗号化の課題について、管理部門の技術開発管理部長の須田淳也氏が、過去に経験したトラブルを振り返ります。

「当時の最大の問題は、添付ファイルの暗号化を解凍するパスワード通知メールの文面でした。パスワード通知メールの文面が英語ではじまる仕様になっていました。また、日本語の文面も表現が固定されていて、自由な編集ができず、とても分かりにくい内容になっていました。その結果、お客様から『解凍パスワードが分からない』というお問い合わせが、数多く寄せられました。」

暗号化された添付ファイルを解凍するためのパスワードを通知するメールは、文面が変えられないだけではなく、送信者が外資系ベンダーのメールアドレスに固定されていました。そのため、お客様の中には解凍用のパスワードメールに気付かず、「パスワードが届いていない」という問い合わせも頻発していました。さらに、技術的な問題も生じていました。その内容について、管理部門で技術開発管理部の清川 淳チーフは、次のように切り出します。

「パスワードを通知するメールのタイミングを任意に調整できなかったので、3年前には添付ファイルのメールが届くよりも前に、パスワードが送られてしまうことが度々ありました。メールの送り主が異なっている上に、添付ファイルよりも前にパスワードが受信されてしまうと、社内のスタッフでもそのメールを探すのに手間取ります。お客様の多くも同様に混乱され、問い合わせも増えていました。」

尾崎 紀身氏

株式会社音響ハウス
常務取締役
尾崎 紀身

管理システムを含めた改善に向けて暗号化ソリューションの乗り換えを検討

他社サービスによる添付ファイルの暗号化が抱えていた課題は、パスワードの問題だけではなく、コロナ禍によってさらに加速しました。そのひとつについて、須田氏は「利用しているスマートフォンの機種やOSによっては、暗号化された添付ファイルが解凍できない、という問題が起きていました。コロナ禍によって、お取引先や社員もモバイル環境を利用する頻度が多くなり、スマートフォンの活用が進んでいます。また、当スタジオでもコロナ禍でのコミュニケーションを改善するために、全社員にスマートフォンを配布して、Gmailを利用する計画も進めていました。そうした状況に、他社サービスによる添付ファイルの暗号化では、十分に対応できなくなっていました」と振り返ります。

スマートフォンの導入に伴い、管理面での不便さも改めて浮き彫りになっていました。その問題について、清川氏は「アカウント管理システムを直接利用できなかったので、新しいアカウントを作成するにはベンダーに連絡して追加を依頼し、登録が完了するまでに数日かかっていました。また、Gmailの導入後にも、当社の独特なメール環境にも柔軟に対応できるシステムであることが必須となっていました。こうした数々の課題を解決するためには、暗号化サービスを変更するしかない、という須田の判断を受けて、私の方でリサーチを開始することになりました」と選定の経緯を説明します。

パートナー企業からの紹介でActive! gate SSの検証を開始

暗号化サービスの乗り換えを検討し始めた音響ハウスの技術開発管理部が、Active! gate SSを知ったきっかけについて、清川氏は「当スタジオのメールサーバーをホスティングしているパートナー企業から、
Active! gate SSを紹介してもらいました。そこで、これまでの課題を解決できるかどうか、検証を開始しました」と話します。

具体的に検証した内容について、須田氏は「まずは、パスワードを通知するメールの文面を自由に編集できるか確認しました。次に、スマートフォンでの受信を考えて、添付ファイルのWebダウンロード形式での送付にも対応しているかチェックしました。そしてさらに、新たに導入するGmailと既存のメール環境の双方に柔軟に対応できるかを検証しました。その結果、ひとつも悪いところが見当たらない、我々の求めていた暗号化サービスだと結論しました」とActive! gate SSの機能と柔軟性を評価します。

運用方法や管理性能を検証した清川氏も「管理システムを直接利用できる点は、とても良かったです。また、パスワードの通知メールだけではなく、配送保留メールを通知する文面もカスタマイズできる点や、さまざまな誤送信対策も容易に設定できる使い勝手も魅力でした。Active! gate SSは、導入当初はとてもシンプルな設定でも、運用していく過程で別機能の追加が可能で、暗号化もWebダウンロードも簡単に変更できたので、とても助かりました」と補足します。

須田氏や清川氏からの報告を受けた尾崎氏は「Active! gate SSに切り替えても、現場での基本的な使い方は変わることなく、これまでの問題も解決できる上に、トータルコストも下がると聞いて、採用を決めました」と導入を決めた理由を語ります。

清川 淳氏

株式会社音響ハウス
管理部門 技術開発管理部
チーフ
清川 淳

工夫したシンプルな通知文でパスワードの問い合わせがゼロになる

Active! gate SS へと更新し、かねてからの問題となっていたパスワード通知メールについて、須田氏は「極めてシンプルな一文に替えたことで、問い合わせはゼロになりました。簡潔で分かりやすい表現により、長年の課題が解決しました」と導入の成果を語ります。

簡単明瞭な文章に変更し、また、パスワード通知メールの送信者も暗号化ファイルの送信者と同一になり、顧客の迷いや不安も解消されました。

須田 淳也氏

株式会社音響ハウス
管理部門 技術開発管理
部長
須田 淳也

送付先に合わせて添付ファイルの暗号化とWebダウンロードを使い分ける

Active! gate SS の Web ダウンロードで、容量の大きなファイルを送信できるようになり、レコーディングスタジオの業務にも、新たな利便性をもたらしました。その効果について、清川氏は「スタジオで収録した音楽などは、数十MBのファイルになります。このサイズのファイルを添付ファイルで送ろうとすると、取引先のメールサーバーによっては、受信拒否されてしまいます。こうした問題も、Webダウンロードによって解決しました。もちろん、外部のファイル配信サービスを使うという方法もありますが、発表前の音源や画像などが多いので、情報漏えい対策という面からも、Active! gate SSによるWebダウンロードは、安全で安心できるサービスだと思います」と説明します。それに加えて、送信時にファイルを暗号化して添付するか、Webダウンロードにするかを件名に入力するキーワードによって指定できるように設定しました。その結果「お客様の受信環境に合わせて、添付かダウンロードかを担当者が任意に選べるようになり、『見られない』とか『分からない』というトラブルは解消されました」と須田氏は評価します。

清川氏は「添付ファイルZip暗号化が問題になった後でも、追加のサービスなどを契約せずに、Active! gate SSの機能を工夫することで添付ファイル付きメールのセキュアな運用が行えることはとてもありがたいです」と導入後の成果についても補足します。 

さらに「通知メールの編集が可能で、運用方法が変わってきても迅速に対応できるので、社内外の混乱もなく、助かっています」と須田氏も
Active! gate SSのカスタマイズの容易性と汎用性に触れます。

送信メールの一時保留を知らせる配送保留メールを工夫しメールの質と利便性が向上

情報漏えい対策の他にも、音響ハウスではActive! gate SSの「送信メールの一時保留」を活用して、誤送信防止に取り組んでいるだけではなく、メールで伝える文章のクオリティ向上にも活用しています。その具体例について、尾崎氏は「配送保留メールは宛先、内容等を確認する目的ですが、メールを送信した直後に『あ、あれも書き足しておけば良かった』とか『あれも伝えておきたかった』と思い出すことがあります。そのときに、配送保留メールから送信する前のメールを開いて修正箇所を確認できるので、一回のメールで送る内容を充実させられるようになりました」と活用例を話します。

営業の現場からは「一分一秒でも早く送りたい」という要望もあがってきます。そこで清川氏は「配送保留メールの中に、慎重にクリックしてもらうように配慮して、即時配信するリンクを追加しました。

もちろん、誤送信防止が優先なので、文面の下の方に配して、矢印で囲って誤ってクリックすることないように工夫し注意を喚起する内容にしています」と対応を説明します。

配送保留イメージ

配送保留イメージ

さらなるセキュリティ対策の強化と信頼性の向上に取り組む

今後に向けた取り組みについて、須田氏は「Webダウンロードを利用するお客様が、より安心してサイトを開いていただけるような工夫が盛り込めないか検討しています。例えば、当社のロゴが表示されるとか、音響ハウスから承認されているサイトだという信頼が得られるような方法がないか、考えていきたいです。と話します。

また、清川氏は「パスワードの運用について、例えば名刺の裏側に記載して伝えるなど、より利便性と安全性を両立できる方法がないか、考えています」と語ります。

そして、尾崎氏は「当社のお取引先の中には、一つのパスワードを案件ごとに個別に提供して、使われている例もあります。」利便性はいいのですが、複数の担当者が共有するのは、安全性の面で懸念もあります。安全性と利便性を考えると、パスワードだけに頼るのではなく、2要素認証などがいいのかも知れません。Active! gate SSにも、今後のさらなる進化で、当スタジオの情報セキュリティ対策をサポートしてもらえたらと願っています」と期待を寄せます。さらに続けて、「社会は、より一層のセキュアな環境を求めているので、それに対応していくことが、当スタジオとしても重要だと受け止めています。インバウンドのセキュリティ対策の強化として、クオリティアの標的型メール訓練サービス『MudFix』にも興味があります」と今後さらなるセキュリティ強化に取り組むことを検討しています。

編集ルーム
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収録スタジオ内部
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